2002年度授業概要

[学部(専修課程)] [大学院(修士課程・博士後期課程)]

学部(行動文化学科社会心理学専修課程)

科目名   社会心理学演習 「社会心理学の諸問題」

担当教官名 薮内 稔

学期:冬

2単位

曜日・時限 水3

 

社会心理学における数理モデリングにおいて基本的な数学的概念と実際の応用例を取り上げて演習を行う.

主な基本的数学概念として,

 (1)集合と関係,(2)行列,(3)ブール代数とグラフ,(4)ファジィ数学の基礎,(5)組み合わせ及び確率,(6)微分,差分方程式

に触れ,それらに関連する社会研究,社会心理学研究における実際の応用例を取り上げて考察する.なお,理解を深めるために数式処理ソフトMathematicaを適宜用いて演習を行う.

 参考書は必要に応じて授業の中で指示する.また,プリントを随時配布する.

 

 

科目名   社会心理学実験実習(U) 「社会心理学実験実習:2部」

担当教官名 薮内 稔・山口 勧・岡 隆

学期:夏

2単位

曜日・時限 金2

 

 社会心理学のいくつかの分野における実験を経験する.受講生は少人数のグループに分かれ,実験材料の作成から,実験の実施,データ分析を共同で行なう.これらの作業は,授業時間以外の時間に行なわれることがある.レポートは,個人作成とする.いずれの課題についても,公開の発表会で報告しなければならない.

この授業では,実験データをコンピュータを利用して統計的に分析することになるので,心理学特殊講義「心理学基礎統計(1)」をすでに履修し,社会心理学特殊講義「心理学基礎統計(2)」と一般講義「電算機応用(T)」を平行して受講しなければならない.なお,受講は,社会心理学実験演習(T)「社会心理学実験演習:1部」を既習の社会心理学の学生に限定する.

 

 

科目名   社会心理学実験実習(V) 「社会心理学実験実習:3部」

担当教官名 薮内 稔・山口 勧・岡 隆

学期:冬

2単位

曜日・時限 金2

 

 第2部に続いて,社会心理学のいくつかの分野における実験を経験する.受講生は少人数のグループに分かれ,実験材料の作成から,実験の実施,データ分析を共同で行なう.これらの作業は,授業時間以外の時間に行なわれることがある.

 レポートは,個人作成とする.いずれの課題についても,公開の発表会で報告しなければならない.この授業では,実験データをコンピュータを利用して統計的に分析することになるので,一般講義「電算機応用(U)」を平行して受講しなければならない.なお,受講は,社会心理学実験演習(U)「社会心理学実験演習:2部」を既習の社会心理学の学生に限定する.

 

 

科目名   応用社会心理学演習 「互恵性 ―人間関係の基本的ルール―

担当教官名 秋山 弘子

学期:夏

2単位

曜日・時限 水2

 

人間関係の最も基本的なルールである互恵性(reciprocity)の規範は社会心理学のみならず、生物学、動物行動形態学、経済学、社会学、文化人類学などでも理論的・実証的研究の蓄積がある。今年度の演習では、そうした多様な角度から互恵性にアプローチした研究をレビューすると共に、現代社会の諸問題を互恵性の概念でどこまで説明できるか挑戦を試みる。

 

 

科目名   社会心理学調査実習(U) 「社会心理学調査(後半)」

担当教官名 秋山 弘子

学期:夏

4単位

曜日・時限 木4・5

 

 社会調査による社会心理学の実証研究の方法論及び技術を習得することを目的とする。前半に学んだ調査理論と方法の概説を踏まえて、後半は調査の全過程を実習を通して学習する。具体的には、テーマ別に小グループに分かれて仮説の設定、調査票の作成、標本抽出(サンプリング)、データ収集、分析を行う。最終的には各人が調査研究の学術論文のフォーマットに則ったレポートにまとめて提出する。調査実習には多大の時間と労力を要するが、社会調査研究の全過程を自ら参加、遂行して学習する貴重な機会を提供するであろう。

なお、受講は前年度に「社会心理学調査実習(前半)」を履修したものに限る。

 

 

科目名   社会心理学概論 「社会心理学入門: 第1部」

     Introduction to Social Psychology: Part 1

担当教官名 山口 勧

学期:夏

2単位

曜日・時限 月3

 

 この講義では、社会心理学における実験的研究を中心に取り上げ、これまでに実験社会心理学の分野で蓄積されてきた知見に基づいて、人間の社会的行動をどのように理解したらよいかを考える。具体的には、社会心理学の実験的方法の論理、社会的認知、態度変化、集団内行動、集団間行動、社会的行動の文化差などに関する実証的な研究について解説する。

 受講にあたって、特別な知識は必要としないが、心理学についての基礎的な知識があることが望ましい。

参考文献は授業中に指示する。

 

 

科目名   実験社会心理学演習 「比較文化心理学」

     Seminar in Experimental Social Psychology: Cross-Cultural Psychology

担当教官名 山口 勧

学期:冬

2単位

曜日・時限 月3

 

社会心理学における比較心理学的研究をとりあげる。テキストだけでなく、そこで引用されている重要な原著論文の講読を行う。その他、毎回、実験・調査およびさまざまな社会事象に関する因果解釈の可能性について議論する。科学的研究を行う際には、別解釈の可能性について、常に考える必要があるので、その訓練のためである。

 テキストは、Smith, P. B., & Bond, M. H. (1999). Social psychology across cultures (2nd ed.).  Allyn and Bacon. を用いる。その他の講読文献は、授業の際に指示する。なお、受講者には毎週レポートが課されることになる。受講は社会心理学専攻の学生に限定する。

 

 

科目名   社会心理学概論 「社会心理学入門:第2部」

担当教官名 池田 謙一

学期:夏

2単位

曜日・時限 火3

 

 本講義は社会心理学入門の第2部として,半ば第1部の応用編,半ばマクロな社会心理学の概説にあてられる.必須ではないが第1部の講義も聴講していることが望ましい.

この講義では,私たちが社会に対して持つイメージ,またそのイメージに基づいて行う行動とその社会的なインパクトについて議論することを目的とし,対人コミュニケーション,ソーシャル・ネットワーク,マスコミュニケーションといった一連のコミュニケーション関連テーマを論ずる一方,投票行動,世論,消費者行動,価値意識といったマイクロ=マクロ・リンケージに関わる領域を検討する.さらに,私たちの「常識」やステレオタイプ,あるいは俗信を成り立たせている社会的現実感の問題についても議論していく.準テキストとして池田『社会のイメージの心理学』(サイエンス社),安藤・大坊・池田『社会心理学』(岩波書店),池田『コミュニケーション』(東大出版会)を挙げておく.

 

 

科目名   応用社会心理学演習 「リアリティの社会心理学」

担当教官名  池田 謙一

学期:夏

2単位

曜日・時限 月5

 

認知社会心理的なアプローチがいかにわれわれの日常的な認識と関わるのか,いくつかの代表的な領域の中で議論していく.社会心理学の主要な理論的テーマや社会心理学的な含意を持つ社会問題に関し,内外の適切な文献の批判的講読を課しつつ,毎週全員で議論していく.論題の対象は,コミュニケーションとは何か,人はなぜ社会全体の動きを気にするのか,他者とは何かなど,「自分で社会心理学的に考える」課題を用意する.学生は授業参加のためかなりの準備を必要とし,また毎週レポートを提出する.もちろん,演習時の積極的な発言が重要であるのは言うまでもない.

 

 

科目名   認知社会心理学演習 「対人知覚と集団知覚」

担当教官名 岡 隆

学期:夏

2単位

曜日・時限 木3

 

 この演習では,実証的研究論文を批判的に購読するための一般的な訓練を行い,その成果を生かして,社会的認知に関する実験的研究を中心に扱い,人や集団を知覚し判断するプロセス,その知覚の内容,その知覚が果たす機能を中心に議論する.

参加者は,この研究分野の原著論文を読み,紹介し,議論することを義務づけられる.毎週,レポート課題を課せられる.受講は社会心理学専修課程の学生に限定する.

 

 

科目名   社会心理学統計 「心理学基礎統計(U)」

担当教官名 平井 洋子

学期:夏

2単位

曜日・時限 火4

 

多変量解析のうち,重回帰分析、主成分分析、因子分析を重点的に取り上げる.これらの手法を用いた予測や変数のグループ化,尺度構成のしかたなどを実際の数値例を用いながら解説し,適切な解釈が行えるようになることを目指す.またこれらの手法とのつながりから,尺度の信頼性と妥当性などの話題や,クラスター分析,多次元尺度法など,類似の目的をもった他の多変量解析法の紹介も行ってゆく.

  教科書は特に用いず,参考文献を適宜紹介する.

  受講にあたっては,基礎的な統計学の知識があることが望ましい.

 

 

科目名   社会心理学特殊講義 「応用多変量解析」

担当教官名  美添 泰人

学期:通年

4単位

曜日・時限 火2

 

 統計学に関する基本的な知識を前提として,「多変量解析」の一般的な手法を学習する.

 最初の段階で,1変量データに関する統計解析の復習,データ解析」の解説,応用に必要な範囲の線形代数など,基本的な統計学の概念を復習し,関連して正規分布を中心とする数理統計の基本的な内容の整理も行う.

 以上の準備の上で,実際のデータ解析とその結果の解釈ができるようになることを最終的な目標として,重回帰分析,分散分析,主成分分析,正準相関分析,クラスター分析,因子分析の考え方を学ぶとともに,統計解析用のコンピュータソフトウェアによる演習を実施する.

 統計学の準備にかける時間と多変量解析の手法を学ぶための時間は,受講生の反応を見てから配分を柔軟に変更する予定である.さらに進んだ話題については,学生諸君の理解を見た上で,余裕があれば紹介することにしたい.

 

 

科目名   社会心理学特殊講義 「政治の社会心理学」

担当教官名  平野 浩

学期:夏

2単位

曜日・時限 木2

 

  集合的・社会的現象としての「政治」を根底で支える個々のアクター(特に一般の市民・有権者)の意識や行動を分析する。具体的には合理的選択モデル、政治的態度モデル、政治的認知モデルといった政治心理・政治行動の基本的モデルを縦糸に、また政治参加、政党支持、政策争点に対する態度、投票行動、政治的価値観・政治的公正観などの重要なトピックスを横糸に議論を進める予定である。国内外の(特に最近の)重要な研究についてもできる限り紹介したいと考えている。参考文献その他については講義の中で適宜指示する。

 

 

科目名   社会心理学特殊講義 「臨床社会心理学」

担当教官名  坂本 真士

学期:冬

2単位

曜日・時限 月2

 

 社会心理学には、帰属過程、攻撃、自己呈示、自己意識、態度、認知的不協和などの理論があるが、社会心理学の発展と共に、社会心理学での理論や知見を臨床的な現象の解明に適用しようとする動きが盛んとなってきた。実際、抑うつ、不安、アルコール依存、摂食障害など広範囲にわたる「こころの問題」の生起には、自己の問題や対人関係の問題などと切り離して考えることはできない。

 本講義では、現代社会の「こころの問題」の中からいくつかを取り上げ、その問題がどのような社会情況の中で、どのような心理的メカニズムによって生じているのかについて学ぶ。教科書として、丹野・坂本 (2000) 「自分のこころからよむ臨床心理学入門」東京大学出版会 を用いる。

 

 

科目名   卒業論文・特別演習指導

担当教官名 藪内稔・秋山弘子・山口勧・池田謙一・岡隆

学期:通年

4単位

曜日・時限 木1

 

 それぞれの指導教官による個別的な論文指導

 

 

科目名   社会心理学実験実習(T) 「社会心理学実験実習:第1部」

担当教官名 岡 隆

学期:駒場4学期(2年生)

4単位

曜日・時限 34

 

 この実習では,社会心理学での実験の実施方法と報告方法の基礎を理解する.参加者は,実験データを収集し,それを分析,考察して,レポートにまとめる.

実験は,基礎心理学的な知覚や記憶に関するものから,社会心理学的な対人魅力や対人認知に関するものまで含んでいる.履修は社会心理学専修課程の学生および進学内定者に限定する.

 

 

科目名   社会心理学調査実習(T) 「社会心理学調査(前半)」

担当教官名 馬場 康維

学期:駒場4学期(2年生)

2単位

曜日・時限 木2

 

社会心理学調査に必要な調査理論と技術の習得を目的とし,講義と実習を行う.講義の主な内容は,社会調査における調査の設計,標本調査理論,分析手法の解説である.講義と平行して,仮説の設定,調査の設計,分析,報告書の作成までの実習を行う.実習は受講者をいくつかの小班に分けて行う.レポートの出題および解答の収集,各班への連絡などは,電子メールで行う予定である.

備考:テキスト使用,原純輔,海野道郎「社会調査演習」東京大学出版会

 

 

(多分野講義)

科目名   人文社会科学における英語論文の書き方

Professional and Academic Writing in the Behavioral and Social Sciences

担当教官名 笹尾 敏明

学期:夏

2単位

曜日・時限 金3

 

This course is designed to provide an advanced, rigorous introduction to professional and academic writing in the social and behavioral sciences. Focusing on professional articles and other academic papers using experimental and survey methods, the writing guidelines developed by the American Psychological Association (APA, 2001, 5th edition) will be followed. The language of instruction is mainly English with some Japanese if necessary. Throughout the term, students are expected to complete weekly exercises and two APA-formatted full reports. Please note that this course is not about how to translate Japanese articles into English ones. The following books will be used in class; thus, you might wish to procure them if you are serious about the course. Other relevant readings will be distributed in class.

 

Text:    American Psychological Association (2001). Publication manual of the American Psychological Association (5th ed.). Washington, D.C.: Author.

 

Nicol, A.A.M., & Pexman, P.M. (1999). Presenting your findings: A practical guide for creating tables. Washington, D.C.: American Psychological Association.

 

Strunk, W., & White, E.B. (2000). The elements of style (4th ed.). Boston: Allyn & Bacon.

 

 

科目名   文化と社会 「北米の視点から」

Culture and Society: A North American Perspective

担当教官名 Matsumoto, David

学期:冬

2単位

曜日・時限 集中

 

This course will examine the relationship between culture, society, and psychology, contrasting North American perspectives of these constructs with other perspectives from around the world. Topics will include emotion, motivation, control, personality, development, social relations, and intercultural adjustment, in addition to the study of the constructs of culture and society itself. Recent cross-cultural research in each of these areas will be reviewed and discussed, with the purpose of building a research agenda in each of these areas for the future. The main goal of this course will be to provide students with knowledge about where the field has been, where it is now, and where it is going.

 

 

大学院(社会文化研究専攻社会心理学コース)

科目名   特殊研究「応用多変量解析」

担当教官名  美添 泰人

学期:夏冬

4単位

曜日・時限 火2

 

 統計学に関する基本的な知識を前提として,「多変量解析」の一般的な手法を学習する.

 最初の段階で,1変量データに関する統計解析の復習,データ解析」の解説,応用に必要な範囲の線形代数など,基本的な統計学の概念を復習し,関連して正規分布を中心とする数理統計の基本的な内容の整理も行う.

 以上の準備の上で,実際のデータ解析とその結果の解釈ができるようになることを最終的な目標として,重回帰分析,分散分析,主成分分析,正準相関分析,クラスター分析,因子分析の考え方を学ぶとともに,統計解析用のコンピュータソフトウェアによる演習を実施する.

 統計学の準備にかける時間と多変量解析の手法を学ぶための時間は,受講生の反応を見てから配分を柔軟に変更する予定である.さらに進んだ話題については,学生諸君の理解を見た上で,余裕があれば紹介することにしたい.

 

 

科目名   演習「社会心理学の理論:認知の論理的基礎」

担当教官名  薮内 稔

学期:夏

2単位

曜日・時限 水4

 

 圏論とトポスを概念的道具として,以下のテーマを主に,認知研究、社会的認知研究の論理的基礎を考える.

(1)ピアジェにおける発生論的認識論の展開

(2)フッサールのインテンショナリティ概念と認知研究の関連性

(3)圏論による人の認識構造の統一的把握

なお,研究を深化させるために,各自において心理学と論理学の関係,および抽象代数学の初歩を学習しておくことが望ましい.

 

 

科目名   演習「世代間家族関係の社会心理学的研究」

担当教官名  秋山 弘子

学期:夏

2単位

曜日・時限 月3

 

人口の高齢少子化に伴い、先進国の人口構造はピラミッド型から縦長の長方形に変容しつつある。4世代家族のみならず5世代家族も珍しくない時代になった。それと同時に、生涯未婚者や子どものいない夫婦の増加、また、離婚や再婚による世代関係の断絶や生成など、家族の世代構成は多様化するなかで、世代関係は著しく変容している。今年度の演習では、近年の世代関係研究をレビューすると共に、新たな形態の世代関係を説明しうる概念的枠組みの構築を試みる。

この授業では英語を用いて自分の意見を表明することを奨励する。

 

 

科目名  演習「集団過程の研究」

担当教官名  山口 勧

学期:夏

2単位

曜日・時限 月2

 

比較文化的視点から「集団過程」に焦点を当てて検討する。これまでの理論的および実証的研究を批判的に吟味した上で、受講者には実証研究を提案することを求める。

テキストは、Matsumoto, D. (ed.) Handbook of Culture and Psychology. Oxford University Press.を主に用いる。その他のテキストについては、最初の授業で指示する。

なお、この授業における発表とディスカッションは主に英語を使用して行う

 

 

科目名   演習「政治的認知」                                                           

担当教官名  池田 謙一

学期:冬

2単位

曜日・時限 火3

 

 演習である。社会的認知の社会的共有を中心に、「政治」に限らず、広い意味で、対人的ネットワークやマスメディアのもたらす認知の共有過程に関心を持ち、ディスカッションを行う。この数年、集団形成・コミュニケーションのもたらす社会的な帰結に関心を持って検討を進めている。social capital論などがそれに該当する。参加者は社会心理学に限らず、政治学、認知心理学、コミュニケーション研究に関心を有し、積極的に討論に加わりうることが望ましい。各人は交替で各論文・著書のレジュメを発表する他、毎週授業当日までにその日の該当論文・著作を読み、電子メールで予めコメントを提出することが求められる。授業の半分はそれらに基づいた討論で占められる。今年度の題材は参加者諸君と相談の上で決めるが、社会的現象・社会的争点に関して人々はどの程度思考しているのか、その思考はどのように規定されているのかについて検討する著作を複数講読したい。昨年の中心的な検討対象は、人間の合理性の内的外的な制約に関する書籍であったが、本年はsocial capitalに関するネットワーク分析を対象とする可能性が高い。

 

 

科目名   演習「社会的認知研究」        

担当教官名  岡 隆

学期:夏

2単位

曜日・時限 木2

 

この演習では,社会的認知に関する実験的研究を中心に扱い,人や集団を知覚し判断するプロセス,その知覚の内容,その知覚が果たす機能を中心に議論する.

参加者は,この研究分野のレヴュー論文を読み,紹介し,議論することを義務づけられる.レヴュー論文は,最近のAdvances in experimental social psychologyやEuropean review of social psychologyなどに収録された社会的認知関係の論文のなかから指定する.

毎週のレポート課題を課せられる.

 

 

科目名   実験及び実習「社会心理学実験及び調査(I)」                         

担当教官名  秋山 弘子

学期:夏冬

2単位

曜日・時限 45

 

参加者各自の研究プロジェクトを中心に研究テーマの発案から研究結果のpublicationにいたるまで討議、検討する。参加者は毎週、進行状況を報告することを義務づけられる。また、国内・国際学会発表、研究助成申請書作成、学部学生の卒論指導もこの場で行う。通年、毎週3−4時間にわたるこのリサーチミーティングは大学院教育の中核をなすものである。

この授業では英語を用いて自分の意見を表明することを奨励する。

 

 

科目名  実験及び実習「社会心理学実験及び調査(U)」

担当教官名  山口 勧

学期:夏冬

2単位

曜日・時限 月5・金4

 

学生にはいくつかの実験プロジェクトに参加することが求められる。実際に実験を行いながら、研究計画の立案、実験の実施、および論文の作成について指導する。

この授業では英語を用いて自分の意見を表明することを奨励する。

 

 

科目名   実験及び実習「社会心理学実験及び調査(V)」                                     

担当教官名  池田 謙一

学期:夏冬

2単位

曜日・時限 火45

 

リサーチミーティング形式の授業である。主として修士論文・博士論文、また院生も含めた他の共同研究に関わる世論調査の計画・実施・分析・論文執筆指導、および学会発表等の指導を行う。院生は毎回発表の義務を負い、そこで討論し尽くし、参加者を説得しきることができなければ、論文は執筆できない。

また、院生はさらに教官の関わる研究データについての分析の訓練を積むこととする。教官の行っている仕事を批判的実証的に検討できるようでなければ、社会的には通用しない。

さらに、1ヶ月に1度のベースで池田ゼミの卒論指導学生の研究発表があり、院生はその卒論作成にもアドバイザーとして参加する。この過程を通じて、特定の仮説の元にデータを取得し分析するとはどういうことか、論文を執筆することはどういうることかを修得することが目指される。

 全体では、年間20本近い論文をその発想から仮説形成、データ取得、分析、検証まで検討することになる。授業時間も3時間から5時間に及ぶ。プロになるための当然の教育である。

 

 

科目名  実験及び実習「社会心理学実験及び調査(W)」                                    

担当教官名  岡 隆

学期:夏冬

2単位

曜日・時限 金4・5

 

この実習では,社会的認知研究のなかでも,とくにステレオタイプ研究に関する実験を,各自が立案し,実施し,分析し,報告書をまとめる.実験の実施,分析は,授業時間外に行い,授業時間内では,各自の提出する実験計画を議論し,実験結果を考察する.履修は社会心理学専門分野の院生に限定する.

 

 

科目名    修士論文指導

担当教官名  各教官

学期:夏冬

2単位

曜日・時限 隔月1

 

 それぞれの指導教官による個別的な論文指導

 

 

科目名    博士論文指導

担当教官名  各教官

学期:夏冬

2単位

曜日・時限 隔月1

 

それぞれの指導教官による個別的な論文指導

 

 

(多分野講義)

科目名   人文社会科学における英語論文の書き方

  Professional and Academic Writing in the Behavioral and Social Sciences

担当教官名 笹尾 敏明

学期:夏

2単位

曜日・時限 金3

 

This course is designed to provide an advanced, rigorous introduction to professional and academic writing in the social and behavioral sciences. Focusing on professional articles and other academic papers using experimental and survey methods, the writing guidelines developed by the American Psychological Association (APA, 2001, 5th edition) will be followed. The language of instruction is mainly English with some Japanese if necessary. Throughout the term, students are expected to complete weekly exercises and two APA-formatted full reports. Please note that this course is not about how to translate Japanese articles into English ones. The following books will be used in class; thus, you might wish to procure them if you are serious about the course. Other relevant readings will be distributed in class.

 

Text:    American Psychological Association (2001). Publication manual of the American Psychological Association (5th ed.). Washington, D.C.: Author.

 

Nicol, A.A.M., & Pexman, P.M. (1999). Presenting your findings: A practical guide for creating tables. Washington, D.C.: American Psychological Association.

 

Strunk, W., & White, E.B. (2000). The elements of style (4th ed.). Boston: Allyn & Bacon.

 

 

科目名   文化と社会 「北米の視点から」

Culture and Society: A North American Perspective

担当教官名 Matsumoto, David

学期:冬

2単位

曜日・時限 集中

 

This course will examine the relationship between culture, society, and psychology, contrasting North American perspectives of these constructs with other perspectives from around the world. Topics will include emotion, motivation, control, personality, development, social relations, and intercultural adjustment, in addition to the study of the constructs of culture and society itself. Recent cross-cultural research in each of these areas will be reviewed and discussed, with the purpose of building a research agenda in each of these areas for the future. The main goal of this course will be to provide students with knowledge about where the field has been, where it is now, and where it is going.